『電車がまいります』のときにも触れたが、ギリギリ昭和生まれの筆者は昭和の思い出が少ない。そう思っていた。
しかし、昔は商店街の八百屋さんで試食とかさせてもらったり、ガソリンスタンドのサービスでアメをもらったりしていたなぁ、のんびりした時代を送らせてもらったなぁ、なんていう思いが生まれてきたのはこの本を読み聞かせしたからか。
表紙からわかるようにおじいちゃんと孫が散歩するだけの絵本であるが、家の内部、街の様子などの今とは違った空気を子どもたちには感じてほしいと思う。ゆるやかに進む物語は、当時3、4歳だったウチの子どもに響いたのだろう。しばらくこれを読む日々が続いたことを、今も覚えている。祖父とのいい思い出がある人にも進めたい一冊である。
さいとう しのぶ (著)
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