読み聞かせに大事な要素は様々である。声の強弱、声色の変化、擬音語(ピョーン!などの)表し方…しかし、この本では滑舌とリズムが不可欠だといえる。
作者が谷川俊太郎氏、絵が和田誠氏ときて、名作にならないわけがない。さらに、開いてパラパラめくると、筆者が何を伝えたいのか、瞬時に理解していただけることだろう。ほのぼのした絵本なのだが、油断は禁物である。なぜか?それは読み手側がミスをすると、少なからずショックを受けるのだ。聞き手が、ではない。読み手である自分が、である。
子どもたちはあまり気にしないだろうが、読み手側からすると、なるべくというか、絶対にミスをしたくない本なのである。一種の縛りプレイとでもいうべきだろうか。コンティニューなしでゲームをクリアする。谷川氏の文章は読み手に対する挑戦であり、和田氏の絵は癒しである。達人のアメとムチを味わいながら、ぜひノーミス読み聞かせのチャレンジをしていただきたい。
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